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シコシコアナキスト日誌

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タイ寺で修行しよう

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一週間ほど滞在させてもらった孤児院の紹介で、タイの寺へ行くことにした。孤児院の最寄の街からバスに乗った。そして、なんもないところで下ろされた。地理がまったくわからなかったから、近くにいた兄さんを捕まえてバイクに乗せてもらった。ちょっと進むとへんぴな森の中に大きな寺があった。

 この寺の住職は、日本国籍をもったお坊さんだ。そのほかにも3人邦人のお坊さんがいる。みんな、国や家を捨てて寺で修行している。彼らを○○人というより、ブッタの弟子っていった方がよい気がした。

 中に入ってちょっと話だけでも聞こうと思っていた。したら、邦人のお坊さんに「はい、修行者ですね。ここに名前書いてください。」「はい、じゃあ、今日から修行ということでいいですね。」と有無を言わずに修行することになった。坊さんに強引に押されるのも満更悪い気もしなかった。

 彼に寺の各所を案内してもらった。彼はトータルで10数年坊さんをしている。彼は日本で23回仕事を辞めて、坊さんも4回辞めたと語っていた。仕事を辞めた理由は毎回、深酒が原因だったようだ。みるからにアル中だった感じがした。坊さんを辞めた理由は、すべて性問題が原因だったらしい。ちなみにタイは上座部仏教のため出家者は、結婚、セックス、オナニー、男色、酒、タバコ、音楽、その他もろもろが禁止されている。さらに女性と二人きりになるのもだめだ。
 そんな状態で瞑想するから、やはり脳裏に出現するのは、裸の女だったんだろう。こうして、彼は、瞑想中に現れる女性との絡みの結果、在家と出家の出戻りを繰り返したようだ。

 慣れるまで寺の生活厳しかった。上に書いたように、酒やタバコの禁止はあたりまえ。ご飯は午前中に一日一回。なにより、オナニーの禁止は堪えた。しかし、次第になれていくと、オナニーを止めることによって集中力が増して行くんじゃないかとも思えるようになった。まぁしかし、破壊が大好きなアナキストとしては破戒せずにはいられなく、しっかりオナニーをさせてもらった。ご馳走様でした。合掌。
 
 朝は、3時に起床。本堂へいって、立つ瞑想、歩く瞑想、座る瞑想をする。鼻からゆっくりと意識して呼吸する。この呼吸が実に重要らしい。鼻からゆっくり息を吸うことによって、神経は交感神経に入る。また、ゆっくりと息を吐き出すことによって副交感神経に入る。朝は目を覚ましたいから、吸う方を長くしてみる。また、リラックスしたいときは、吐く方をながくする。これを極めてゆくと、ものすごい集中力が得られるらしい。
 不良坊さんから、もしも草やケミカルでバットトリップに入ってしまったら、寝てゆっくりと鼻から呼吸をすることだとアドバイスをいただいた。また、マントラを唱えるといいともいわれる。

 毎日、瞑想してゆっくりと呼吸するため、あんまりイライラしなかった。また、考えも気持ち悪いぐらいポジティブになる。それに免疫力が上がるらしいのでいろんな病気にも効果があるようだ。とにかく、金がかからずどこでもできる健康法だから、これはお勧めできる。

 瞑想、お経を唱えた後は、托鉢にでかける。裸足になって街の人々から食べ物をもらう。タイは本当に仏教への信仰があついことがわかる。市場にゆくとトラックに積みきれない程、食べ物が集まった。ちなみに、このお寺は修行者が多いため、けしてあまらなかった。もしもあまったら寺に雇われてるモン族の人々へ配られるらしい。

 托鉢の後は、ご飯の準備。時計の針は9時前ぐらい。もう6時間ぐらい起きてるから、お腹がきゅるんきゅるんいってくる。準備が終わると、ようやくご飯を食べられる。一列に並んで托鉢でもらった食べ物をビュッフェ形式でよそる。これには、泣きたくなるぐらい、ご飯をくれた人やご飯自体に感謝した。普段、ご飯が食えて当たり前だと思ってる自分にはいい薬になった。
 ご飯を一日分詰め込んだ後は、眠気が襲ってくる。しかし、その後、洗濯や掃除をしなくてはいけない。終わってホッとしていると、毎回お坊さんに誘われて、木こりの仕事をしにゆく。木こりは実におもしろい。この寺の森はすべて植林だから、定期的に間伐を行う。長い日は昼過ぎから、夜中まで作業した。
 
 そのとき、坊さんたちといろんな話をした。
 元アル中の坊さんは中学生の時、三里塚の闘争に参加したと語ってくれた。彼は新空港建設のために農民の土地を奪う政府が許せなかった。だから、親父に電車賃をもらって一人で上京したらしい。彼は、未だにそのときの気持ちを忘れてないといっていた。むしろ、俺は今でも活動家なんだと熱く語っていた。彼はこういっていた。「仏教徒は世の中に対するテロリストなんだ。まさにゲバラのようなゲリラなんだよ。この寺はゲリラの基地、聖域だ。ゲリラは常に大衆から支持を受けなくちゃいけない。托鉢はその物資支援。また、ゲリラは大衆にお返しをしなくたはいけない。だから、寺を開いて修行や説法するんだよ。」
 さらに、いろいろ語っていくうちに、寺のシステムと社会主義やアナキズムの共通点が会話にあがってきた。

 寺は、徹底した貨幣制度を禁止している。お坊さんはお金を触ることすらできない。また、どんな坊さんも在家も同じ飯を食べる。仕事をしようとしまいが、すべて配給は同じ。だれかに特別の力はない。いるとしても住職=リーダーぐらい。また、お寺のイベントで評議会が行われる。これは全会一致の徹底討論らしい。これには、驚いた。まさかマルクスやバクーニンはブッタの本を読んでいたんじゃないかって話になった。

 その後、ここの住職と話がすることができた。彼はタイで5本の指に入るほどの人気坊さんらしい。活動家坊さんから、住職はむかし重信房子に会いにいったことがあると聞いていたのでそれを聞いてみた。しかしあっさりと濁された。
 次は「世界から戦争を無くすにはどうしたらいいか?」とたずねてみた。そしたら「金」だよ。といわれた。思わず爆笑してしまった。彼は続けて語った。
 「まず金を1000万ぐらい作って組織を作りなさい。それをアメリカにおきなさい。そしてアメリカのこどもたちに訴えなさい。」と。
 さらに俺は戦争反対の原動力が怒りだと伝えた。しかし、仏教では、どんな怒りももつものではないといっている。彼も同じようにいった。
 「怒りは必要ない。ブッシュを愛しなさい。ブッシュには戦争もできるし、やめさせることもできる。」と。
 なんだかとんでるなーと思った、でも彼の顔つきはシニカルだった。どちらにしても、できいことをやるなら金が必要だろうし、アメリカのこどもに訴えろってのはいいと思った。
 そんな彼は、寺に入るお金(お布施)を手元にはおかずに、すべて財団に流している。そして、お寺の財団はタイ国内の経済的に恵まれない子たちに無償で奨学金をだしている。トータルで4000人近くに出している。また学生にブッタの教えも教えている。
 ブッタは、徹底した無戦主義だ。また、カースト制度を否定した平等思想だ。
 勉強をしたい学生へお金を出し、教育を与える。そして、ブッタの無戦主義で平等思想が伝わる、たしかにこの寺はひそかなゲリラだと感じた。
 また、タイは政教一致のため、この住職に首相や大臣が相談に来るらしい。彼は、そのつど、仏教を元にアドバイスをだしている。タイのクーデター以前、タクシン首相は「首相をやめたい、やめたい」と愚痴をこぼしていたらしい。しかし、クーデターが起き、国民が「タクシン、やめろ!」と言えば言うほど、タクシン自身は「絶対やめねーよ!」と言い出したらしい。住職は、もしも国民が「タクシン、一生首相をやってください!」といえば、彼はすぐに首相を辞めてただろうと語っていた。だから、ブッシュにもおなじようにしなさい。とつなげてた。

 最後に、住職に「ブッタはアナーキストですか?」と聞いてみた。そしてら「そうです。」とかえってきた。これには笑った。


 上座部仏教の国で、お墓を見ない。なぜかというと、輪廻転生が信じられているからだ。輪廻転生=死んだら生まれ変わるなら、別に墓は必要ない。
 それとこちらの仏教徒は、カルマ(業)という考えが強い。たとえば、俺が売春婦に殺されるとする。しかし、家族は俺のカルマだから仕方ないと復讐はしない。さっぱりと諦める。このカルマというのは、俺が前世で行った行為。俺は前世で買春する男を殺したことがあるって考える。前世で人殺しをした者は、現世で誰かに殺されると考える。だから、それを断ち切るために、復讐は一切しない。
 戦争で殺されるこどもたちも、前世でこどもを殺していた、という例えをお坊さんがしていた。これには、腹がたった。しかし、戦争がずっと復讐として連鎖しているのは事実だ。この連鎖が断ち切れない限り戦争は終わらない気がする。もしも、カルマという考えに従ったら、この復讐の連鎖は切れるかもしれない。そう考えると、あながち、カルマや輪廻転生が悪いものではない気がした。
 
 仕事がない日は、哲学書ばっかり読み漁り山頭火みたく悲観的なことばっかいってる坊さんの部屋にいた。そこでは、いつも禁止されているはずのタバコを接待してくれる。
 彼は、もう15年ぐらい坊さんをしている。オナニーも15年していないと語っていた。これには尊敬した。なんだか尊い人にみえた。オナニーしない性欲が彼を不思議なオーラでつつんでいる気がした。いや、そう考えたほうがおもろい気がした。
 そんな彼は40代半ばだ。彼いわく、40代は最後の性の足掻きがあるらしい。だから、40代の坊さんはみんな性問題に悩まされいるらしい。そんな激しい性欲を抑えるために、彼らは死体写真を見る。写真は内臓がとびちってる物からミイラ物まで。一瞬、死体趣味なのかたと思った。死体写真を自分と照らし合わせて、自分も死体と同じように気持ち悪い存在と考えるらしい。でも「死体写真も見慣れますよね?」って聞いたら「見慣れますよー。」ってかえってきた。そりゃ、そうだ。
 このお坊さんには俺に対する口癖があった。お坊さんの部屋へゆくたびに「シガさん、インドに行ってはいけないよ、いったら僕みたいなゴミになるよ。日本へ帰ってかあちゃんとだけやってなさい。」これは彼の後悔にも聞こえた。
 
 お寺でお坊さんたちと様々な話をした。宗教、政治、革命、エロス、戦争、超常現象、カルト、ドラッグ、売春、殺人、犯罪。ここの邦人のお坊さんたちは、はっきりいってしまえば、日本の資本主義社会からみたら、無生産なゴミなのかもしれない。しかし、タイという仏教国で坊さんになったとたん、社会貢献し、政治に参加し、貴族と同等に見られ、みんなに拝まれる。これは本当に不思議だ。しかし彼らが人々に拝まれるぐらい修行をつんでいるのも確かだ。二年間、小屋に閉じこもって誰とも話をしなかったり、金を持たずにインドを放浪したり。
すさまじい。変態にもほどがある。
 
 今回、俺は一銭も金を使わなかった。そして、無償でいろんなことを教えてもらった。これこそが、活動家坊さんがいっていた、ゲリラ活動なのかもしれない。
 今後俺は、アナキストとしてテロリストとして仏教徒として、釈迦の教えを学んで生きたいと思った。怒らず、焦らず、執着せず、ゆっくりと、ひとつひとつ手放してゆく。これができたら、相当気持ちがいいでしょ。
 禁欲の果ての極上の快楽がまっている気がする。わたし、もう、濡れてます。
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タイの少数民族 孤児院

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タイに来た目的のひとつが、ビルマ(ミャンマー)との国境付近にある家(孤児院)へいくことだった。ここには、モン族やカレン族のこどもたちがいる。

 ミャンマーでは、ビルマ族(68%)とカレン族(7%)など少数民族の紛争が1949年以来57年間続いており、1984年にミャンマー難民がタイに流入し、今年で22年になります。現在、タイ国内にはミャンマーとの国境近くにある9つの難民キャンプがあり、約14万人の人々が生活をしています。(日本UNHCR協会より)

 この家にも、親を失ったカレン族の子がいる。あまり政治的な話をしなかったため、どの子がカレン族で、難民なのかとかわからなかった。むしろ、聞けなかった。興味もあったが、こどもの元気さの前では、どうでもよくなってきた。

 ここでの生活は毎朝、日の出とともに起床。朝日に向かって踊って歌って瞑想する。そして日の入りも同じことをする。これはインドのどっかの宗派らしい。
 日中は、小さい子たちとタイの遊びや日本の手遊びをやった。大きい兄さんたちとはセパタクローをやってその後は池で泳いだ。みんなHIP  HOPが大好きで、できもしないのにラップ講座をひらいたり、ロボットダンスや下半身強調ダンス教室を開講した。小さい子から大きい兄さんまで、下半身を振って狂乱した。ちなみに、ロボットダンスはモンゴルのゲルでモンゴル民族に披露したいらいだった。

 トータル約一週間、毎日こどもたちと、ただひたすら遊び、ただひたすら飯を食らった。長旅の戦術としては「ただ」は最高であります。ただ飯、ただ宿。それにただマン付きなんて…。あるわけないっすね。しかし、昔のギリシャには、旅人を持て成す娼婦が神殿にいたなんていいます。今はありえませんね。

 話がそれました。この家(孤児院)では収入源としてフェアトレードを行っている。フェアトレードをうまく説明できない。が無理やりしてみます。たとえばスターバックスのコーヒーが200円だとする、そのコーヒーの売り上げのうち、10円しか生産者に行かない。これでは、生産者は暮らせない。ということで、スタバを破壊して、200円のコーヒーの売り上げのうち、生産者へ正当な金額を払おうというのがフェアトレードだ、と思います。(破壊は希望です。それとスタバのコーヒーは200円では飲めないね。)
 この家では麻など織物を使ってタイ服やカバンを作っている。どれもとてもいい。値段は少し張るが、これもこどもたちの養育費だと思えば安い。買い手が、生産過程・生産者を想像する/知る。また、買い手と生産者がつながるってのが、フェアトレードでは大切なことなんだろうと思う。

 B-BOY化したこどもたちとも別れを告げた。その帰り、家のお父さんにぜひいい寺があるから、そこへゆくといいといわれた。せっかくだし、いってみることにした。つづく

 


バンコクの刑務所へゆこう

Category: 未分類   Tags: バンコク  
 おとつい、バンコク市内にあるバンクワン刑務所にいる邦人の面会に行って来た。同じ宿にいた将来検事を目指す邦人学生も誘って一緒にいった。この刑務所には、現在8人の邦人が長期滞在している。

 みんなドラッグの輸出に失敗して捕まった人々だ。その大半は、地元のヤクザ(兼業警官)に騙されて捕まっている。中には、学費を稼ぐために運び屋を引き受けた人もいる。

 ある二人組みの邦人男性はタイの女性に声をかけられ、ヘロインの運び屋を引き受けた。しかし、空港内で警官が写真をもっていてそのまま逮捕されたという。これは、明らかにタイ女性と警官がグルだったということがわかる。
 このとき、逮捕された一人はヘロイン純度検査で、所持していたヘロイン1.5キログラムの内220グラムしか本物のヘロインが入っていなかったという。また、もう一人は1.5キロのうち、26グラムしか入っていなかった。残りは、小麦粉だという。この状態にもかかわらず、彼らの刑は終身刑だという。

 この背景には、ドラッグ所持者検挙に対する報奨金が目的であるといわれていた。この報奨金を出していたのは、ほかでもなくア・メ・リ・カであります。じぶんの国はドラッグばら撒き放題なのに、おかしなことしやがります。ここにも、またアメリカの影がありんす。
(ちなみにこの報奨金制度は数年前になくなったらしい)

 俺が面会で話した男性は、もう11年この刑務所にいる。彼は学費を稼ぐために運び屋を引き受け逮捕された。将来の道はかなりエリートコースだったという(彼らの精神的サポートをするタイ仏教の邦人坊さんから聞いた話)。

 この日はあまり事件のことには触れず、彼の話を聞こうと思っていた。彼は、マシンガンのようにひたすら話をしてくれた。とにかく、外のことを聞かれた。また外部の人と話ができてうれしくて仕方ない様子だった。彼は、とても明るく穏やかな人だった。

 次第に打ち解けてきたので、こちらからも質問してみた。まず、刑務所内の様子を聞いてみた。

 最近はだいぶ落ち着いてきたらしいのだが、シャブ、ヤーバー、ガンジャが普通に出回ってるらしい。みんなお金をだして買っている。ちなみにシャブに使われる注射器はボールペンに針をさして注入するらしい。だから、みんな真っ黒になるといっていた。中にはシャブがなくなると味の素で代用させる人もいるらしい。これには、爆笑した。

 また、刑務所内には、バクチ場もあるという。ここでショバ代をとるのは、他でもなく天下の看守さまだ。タイの金持ちなヤクザさんたちが日々大金をかけてバクチしているという。時には、カジノあらしがあるとも語っていた。監獄ムービーを上回る話に、僕のパンツはぬれぬれでした。

 その他に、刑務所内の年末のお祭りでは、おかまの刑務所と合同でパーティを行うらしい。舞台には、綺麗なおかまのねーさんがセクシーなダンスをしているらしい。看守さまも下半身を握って大喜びだという。
 また、もし気に入った子がいたら裏の小屋にいってセックスを楽しむという。ショートタイムで500バーツから1000バーツ(1500円から3000円)。これはシャバより少し安い相場。ちなみにバンコクのお風呂で平均3000円ぐらいか。
 みんなひさしぶりのセックスに1手で王手されてしまうと語っていた。また日常的な性問題は、金のない囚人が金を稼ぐためにケツを売っている。100バーツから200バーツ(300円から600バーツ)。刑務所内にはコンドームも販売されているとの話。

 彼との話で、俺が一番興味をひいた話がある。それは、ついこの間タイで起きたクーデターの時のことだ。(刑務所内には、テレビがあるため常に外部の情報がはっている。)バンクワン刑務所じゃない他の刑務所内で、クーデターに便乗して囚人が看守さまを人質にとり暴動を起こしたという。この話は、まったくニュースで聞いていない。
 シャバでは、軍人や戦車と一緒に記念撮影をする一般市
民たち。しかし、一生を檻の中で過ごさなきゃいけない囚人たちには、またとないチャンスだったのだろう。でも残念ながらこのムショ内革命は失敗に終わってしまったという。

 また刑務所内には、精神障害者、知的障害者、身体障害などが一色単に健常者と一緒の扱いをうけているという。見方によれば、差別がないっていうのかもしれない。しかし、障害者には歴然とハンディーがある。障害者のハンディーを考慮しないってのは、明らかに社会から隔離しているとしかいえない。

 障害者だけでなく刑務所長期滞在者の大半が同じことだ。刑務所は「囚人」を社会に復帰させることなんて微塵も考えていない。なぜなら、刑務所側は「囚人」にある程度好きなことをさせ、その代わり死ぬまで刑務所から出させない。これは、社会不適合者の隔離施設としかいいようがない。
 一度でも「犯罪」(政府がいうところの)を犯したら、一生、刑務所にいろ。でも、金さえあれば好きなことをしていい。ただし看守さまをブッタの代わりに拝みなさい。
 こういった図式だ。

 俺が話をした彼は、もう本当に懲りた、早く外に出たいといっていた。そして、彼は将来の夢を語ってくれた。それは
日本とバンコクで貿易の会社を起こすことだといっていた。
終身刑である彼が、シャバに出ることをあきらめずに将来の夢を語ってくれたのには、熱くなるものがあった。

 タイという国は、殺人やレイプの場合13年から2年の刑だ。中には、賄賂で免れるケースもある。レイプ犯が恩赦をもらうと刑が10年だとしたら、5年に減刑されるという。
しかし、ドラッグで捕まった多くは死刑、または終身刑
が大半。ドラッグの恩赦の場合は刑期の6分の1だという。(たしか)。

 ここで、ドラッグより殺人の方が罪が重いという議論は置いとく。しかし、ドラッグを用法容量をしっかり守ればけして悪いことばかりではないと思ってる。

 一番大切なのは、一度犯した「過ち」でも、何度となく人間にはやり直すチャンスがあるってことだ。それをさえぎる事は誰にもできない。神様だって看守様だってそれはできない。

 今回、彼らに俺はなにができるか考えた。今、彼らは、話し相手を滅茶苦茶欲しがっている。彼らの多くは、面会が一年に一回あるかないかだといっていた。また、日本語の本や雑誌が非常に欲しいと語っていた。
 だから、俺と検事を目指す邦人学生と二人で、彼らに会いにいってくれという募集のビラを作った。そして、邦人がたまりそうなカオサン内の場所にビラを貼った。少しでも多くの人が彼らの元を訪れるといい。そして、ドラックで捕まる人が減ることを願った。

 俺は、検事を目指す彼に、かつて自分が反戦デモで不当にパクられタコ殴りにされた時の話をした。そのとき、担当の検事に怒鳴られ罵られた話もした。彼は検事に暴力的なイメージがないようで驚いていた。
 彼には人権を守ろうとする姿勢があった。また、タイの刑務所内の人権のなさをみて、改めて人権の重要性を感じると語っていた。そんな彼のビラ撒き活動家デビューを見届けられうれしかった。彼は、僕もデモに行きたいといっていた。でも、もしあんたがデモにいったら、ほんと検事になれんよって、二人で爆笑した。彼みたいな人権を重視する検事がいるなら、日本の司法もまだまだ捨てたもんじゃないって思った。

 最後に、面会した彼からのアドバイス。タイでは、例えドラックやバクチを自分がしていなくても、その現場に一緒にいるだけで逮捕される。その後は、裁判官の気分次第で終身刑だ死刑だ無罪だのっていう適当な話。だから、その場にいないことが一番だといっていた。こればっかりは、本当シャレにならないから、この忠告は聞いたほうがよいと思う。また、他の国でも情報をたくさん仕入れてからドラックの摂取を試みた方がよいと思う。彼の身をもったアドバイスをしかとうけとめた。

 
 バンクワン刑務所への行き方。

カオサン付近のチャオプラセー河の船乗り場(banglumpoo pier)から上流へ向かって終点「ノンタブリ」まで船でいく。
ノンタブリ船乗り場を背に、直進、一つ目の角を左折。直進してちょっと歩くと右側にある。

 刑務所での手続き

面会日は月曜日と水曜日、9時からと1時から。受付でビルディング2といえばいい。面会者名の欄は「ビルディング2」にいる日本人を出してくれとつげれば平気。もしも、面会者が
4人いたら、4人の滞在者と会える。ぜひ、集団面会を!

※ いらなくなった本や雑誌などが大変よろこばれます。また
飯は一日一食(ごはんとスープ)だけなので食べ物の差し入れも喜ばれます。手ぶらでも構いません。とにかく、人とのコミュニケーションが一番欲しいようです。
 

 日本から本や手紙も遅れます。どうぞよろしくおねがいします。バンコクに行く方は、観光スポットのひとつにいれてください。

BANGWANG CENTRAL PRISON
117 MOO3 MONTHABURI 1.RD
TAMBON SUANYAI AMPHUR MUEANG
NONTHABURI 11000(POST CODE)

TEL 02-526-0896


プロフィール

志賀直輝 

Author:志賀直輝 


志賀直輝 a.k.a. kitou seishi


海外逃亡をへて4年ぶりの糞賃労働の日々。パートナーの出産と共に主夫強制引退。現在は、育児と保守的な職場内で闘争実施中。近い将来は、子連れ狼になりたい。


と思っていたが、原発事故によって一寸先は闇、現在、原発猛反対中。文字通り、お先まっくろ(アナキスト)でございます。どいつもこいつも、金、金、金、みんなでアナーキーに生きるしかない!原発や原爆の原料になるウランのある山を畏怖し近かづかなかったインディヘナたちは、7世代先の子どもたちのことまで考えていたらしい。っていうんだから、アナーキーかつインディヘナなように!

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